抄録
症例は日齢0 の男児.臍帯ヘルニアの出生前診断で在胎週数37 週6 日,2,724 g,帝王切開で出生,アプガースコアは8/9 であった.ヘルニア囊の破裂はなく,ヘルニア門の外径は3 cm,臍帯内ヘルニアの診断で日齢0 に手術を施行した.臍帯内ヘルニア以外の合併奇形は認められなかった.全身麻酔下に脱出臓器を用手的に腹腔内へ還納し腹膜および筋膜を結節縫合で閉鎖した.バイタルが安定していたことから臍形成術を行った.ヘルニア周囲の皮膚で底孤長15 mm,高さ15 mm の三角形の皮弁を3 枚作成し,臍輪を縫縮するように3 枚の皮弁を縫合し臍を形成した.日齢3 から経口摂取を開始し日齢12 に退院となった.術後1 年を経過した現在,臍は陥凹し整容性は良好である.臍帯ヘルニアの手術では,脱出臓器の腹腔内還納,腹壁閉鎖が最優先され臍形成に注意が払われることは少ないが,臍形成を同時に行うことを念頭に置いて腹壁閉鎖術を行うことは有用であると考えられた.