2014 年 50 巻 5 号 p. 930-934
症例は日齢0 女児で,在胎32 週4 日,1,996 g にて出生した.在胎24 週時に腸管拡張を指摘され,以後定期的に超音波検査を受けていた.出生当日腸管内容が高輝度となり,胎動が減少し腹水が出現したため胎児腸捻転による腸管内出血が否定しえず緊急帝王切開となった.同日apple-peel 型空腸閉鎖,口側空腸および肛門側回腸捻転に対し捻転解除,壊死腸管切除,腸瘻造設術を施行した.Treitz 靱帯より6 cm,回盲部より31 cm の小腸が残存した.日齢76 に空腸回腸吻合術を施行した.術後胆汁鬱滞性黄疸が増悪したがプレドニン内服開始後黄疸は漸減し,日齢142 には正常化した.日齢217 に一旦退院となったが,体重増加不良のため日齢265 より間欠的中心静脈栄養を開始した.1 歳3 か月時間欠的中心静脈栄養を終了し,以後発育発達ともに問題なく経過している.Apple-peel 型小腸閉鎖に空腸,回腸捻転壊死を合併した症例に対しては,敗血症,胆汁鬱滞に注意し,中心静脈栄養,経管栄養を併用した分割手術が有効であった.