抄録
症例1 は1 歳,女児.右鼠径ヘルニアの診断で手術を行った.臍部より3 mm トロッカーを挿入し,気腹すると,右内鼠径輪左側に4 cm 大の囊胞を認めた.囊胞は開大した内鼠径輪と連続しており,腹腔内に脱出したNuck 管水瘤と考えられた.腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(LPEC)の手技に準じて縫合糸を通した後に,内容液を経皮的に穿刺吸引した.次に臍部創を延長し,3 mm ポートを追加し,囊胞を切離した.腹膜鞘状突起を閉鎖し,手術を終了した.症例2 は1 歳,女児.右Nuck 管水瘤の疑いで,症例1 と同様に腹腔内を検索すると,右内鼠径輪左側に2 cm 大の囊胞を認めた.LPEC 針を腹腔内に穿刺し,囊胞を先端のループに通して牽引しながら切除し,腹膜鞘状突起を閉鎖した.過去に腹腔内囊胞を伴う小児Nuck 管水瘤の報告はみられない.今後,LPEC の普及により発見される機会は増加すると考えられ,対処法を確立する必要がある.