日本小児外科学会雑誌
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症例報告
腹腔鏡下直腸固定術を施行した小児直腸脱の1例
山根 裕介田浦 康明小坂 太一郎大畠 雅之永安 武
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2015 年 51 巻 1 号 p. 91-95

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抄録

直腸脱は骨盤支持組織の脆弱化によって直腸粘膜の一部または直腸全層が肛門より反転脱出する疾患である.保存的治療が優先されることが多いが,無効時には外科治療が選択される.今回,腹腔鏡下直腸固定術を施行した1 例を経験した.症例は5 歳男児.直腸粘膜脱と診断されGant-三輪法が施行されたが,早期に粘膜脱出症状が再燃した.精査加療目的に当科に入院し,診断・治療を兼ねた腹腔鏡手術を選択した.術中所見で深いダグラス窩と長くたるんだ直腸を認め,完全直腸脱と診断し腹腔鏡下直腸固定術を施行した.術後経過は良好で,再発所見を認めていない.直腸脱に対する腹腔鏡下手術は,低侵襲性・整容性の面から有用であると思われた.

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