日本小児外科学会雑誌
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症例報告
巨大臍ヘルニアに対する乳児期早期の根治術
―腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術と同時施行した4例―
佐伯 勇大平 知世加藤 怜子向井 亘今冶 玲助秋山 卓士
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2015 年 51 巻 2 号 p. 255-258

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抄録

乳児期に巨大臍ヘルニアを認める症例では,ヘルニア門が閉鎖して臍ヘルニアが治癒した後も余剰皮膚が多く残った状態となったり,臍輪が大きいまま残存したりすることで醜形を来すことが多い.今回乳児期早期に腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術(LPEC 法)を施行した女児のうち,巨大臍ヘルニアに対して同時に臍形成術を施行した4 例の結果を提示する.術前の臍輪のサイズは最大横径がそれぞれ30 mm,28 mm,27 mm,22 mm であったが,手術後1 か月で12~15 mm と全例で著明に縮小を認め,非常に美しい形態の臍となっていた.巨大臍ヘルニアに対して乳児期早期の根治術を行うことで,術後の臍輪の自然な収縮が期待できるため,2 歳を超えて手術をするよりも,明らかに美しい形態の臍を容易に形成することができる.巨大臍ヘルニアを有する児で臍を扱う手術が必要な際は,積極的に臍形成術も施行すべきである.

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