2013 年 69 巻 7 号 p. III_385-III_392
琵琶湖・淀川水系を原水とする水道水中の有機ヨウ素系消毒副生成物の濃度と溶存態ヨウ素の構成の把握を試みた. 水道水中のシクロロヨードメタンの濃度範囲は20-253ng/L, またタロロヨード酢酸濃度は最大でおよそ20ng/Lであることを示した. 一方, 高い毒性が懸念されるヨード酢酸は検出されなかった. 加えて, 高度浄水処理プロセスは有機ヨウ素系消毒副生成物の濃度を低減させる効果があると推定した. 水道水中の溶存態ヨウ素のおよそ80%以上はヨウ素酸イオンであること, 有機態ヨウ素の内訳については下流域においては消毒副生成物とヨード造影剤を考慮しても未知の有機態ヨウ素の比率が高いことを示した.