抄録
症例は4 歳3 か月女児.2 日間の嘔吐と上腹部膨満を主訴に受診.単純レントゲンで胃軸捻症が疑われ,挿入に難渋した胃管から大量の血液流出をみとめた.腹部CT 検査で短軸方向の急性胃軸捻転と診断した.直ちに透視下・上部消化管内視鏡下に整復を施行し,捻転解除に成功した.内視鏡では胃体部~幽門部は虚血によると考えられる多発潰瘍を認めた.その後,虚血後変化と思われる瘢痕収縮で胃の通過障害を来し,1 か月後には流動物の通過も不能となった.手術治療も考慮に入れながら中心静脈栄養を併用して経過をみたところ,通過障害は徐々に改善し,4 か月後には食事摂取可能となった.6 か月後の上部消化管造影検査で再捻転のリスクがあるため腹腔鏡にて観察した.初発時の炎症性変化と考えられる胃底部と脾上極の癒着を認めたが,胃は可動性で再捻転の危険があるため,胃固定術を行った.術後経過は良好である.胃の虚血性障害の自然経過と治療について考察を加えた.