【目的】乳児臍ヘルニア絆創膏固定中の細菌増殖による皮膚炎を防止する目的で固定部の細菌集落数を測定し効果的な清拭薬を検討し報告する.
【方法】2015 年1 月からの15 か月間に,当院を受診した症例を対象とした.無清拭,80%エタノール(Ethanol)清拭,0.05%クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)清拭,0.05%クロルヘキシジングルコン酸塩80%エタノール(CHG-E)清拭の各10 症例に,クリーンスタンプ「ニッスイ」を用い細菌を採取した.培養し中央部4 cm2 の細菌集落数を測定した.
【結果】皮膚炎発生は,無清拭4 件/10 例,Ethanol 清拭3 件/10 例,CHG 清拭1 件/10 例であり,CHG-E 清拭例では認めなかった.細菌集落数測定を初診時,固定交換時,固定終了時,治癒確認時に行った.初診および治癒後の細菌集落数は500 個/4 cm2 未満で,これを通常の細菌集落数とした.皮膚炎例は500 個/4 cm2 を越えていた.無清拭は,742.1±531.1 個/4 cm2 から固定後には999.2±404.6 個/4 cm2 に増加した.Ethanol 清拭は,691.1±439.8 個/4 cm2 から清拭直後には56.7±85.9 個/4 cm2 に減少し,固定後には939.1±334.1 個/4 cm2 に増加した.CHG 清拭は,626.6±511.1 個/4 cm2 から清拭直後には695.6±602.4 個/4 cm2 であり,固定後には875.3±471.7 個/4 cm2 に増加した.CHG-E 清拭は,清拭前後から固定後までほぼ500 個/4 cm2 以下であった.
【結論】固定部はCHG-E で清拭すれば通常範囲内の細菌集落数に維持でき,皮膚炎の発症防止に極めて効果的である.