2017 年 53 巻 2 号 p. 258-265
【目的】九州小児外科研究会の会員施設に小児の栄養に関する様々な問題についてアンケート調査を行い,結果を集計し考察を加え報告する.
【方法】25 施設を対象とした.アンケート内容は1.術前経口補水療法,2.栄養剤の半固形化,3.中心静脈カテーテル,4.微量元素,5.カルニチン,6.Omegaven® の使用状況,7.nutrition support team(NST)の稼働状況とした.
【結果】24 施設より回答が得られた.術前の経口補水療法(ORT)を導入している施設は8 施設であった.鼠径ヘルニア根治術等の小手術が主な対象で,術前2 時間前までORT を行う施設が多くみられた.栄養剤の半固形化は11 施設で行われ,主な対象は重症心身障碍児や胃食道逆流症であった.投与理由は下痢の防止が最も多く,投与経路は胃瘻で投与方法はボーラス投与であった.乳児に対する末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)は17 施設で使用されていた.中心静脈カテーテルによる在宅栄養管理を行っている施設は10 施設であった.Fe,Zn,Se,Cu などの微量元素欠乏を11 施設で経験していた.Se 測定は14 施設で行われており,主な対象は長期TPN 症例であった.カルニチンの測定は9 施設で行われており,うち5 施設で欠乏症を経験していた.欠乏症の治療としてレボカルニチンの投与などが行われていた.Omegaven® は3 施設で使用経験があった.対象疾患は短腸症候群やヒルシュスプルング病類縁疾患等であり,全例症状が改善したとの回答を得た.NST は24 施設中23 施設で稼働しておりうち17 施設でNST 加算が算定されていた.NST を主導している科は,小児外科が11 施設と最も多かった.
【結論】今回のアンケート調査で九州地区の小児栄養に関する現状と問題点が明らかとなった.