日本小児外科学会雑誌
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症例報告
腎動脈本幹に仮性動脈瘤を形成した小児鈍的腎外傷の1例
―経カテーテル動脈塞栓術と腎摘除術の組み合わせ治療―
前岡 瑛里益子 貴行花田 学古屋 武史杉藤 公信池田 太郎越永 従道
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2017 年 53 巻 2 号 p. 266-271

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抄録

症例は13 歳女児.机から転落し右側腹部を強打し,プレショック状態で救命センターへ搬送された.腹部造影CT 検査で右腎外傷IIIb, H2, U2(日本外傷学会腎損傷分類2008)と診断した.バイタルサインを安定させ保存的治療を開始した.受傷4 日目に発熱し,右腎周囲の血腫内気腫像と尿培養検査で細菌が検出され患側腎の感染と判断した.受傷11 日目のCT 検査で右腎動脈本幹および腎実質内に仮性動脈瘤を認め,増大傾向があることから保存的加療の継続は困難と考えた.仮性動脈瘤が腎動脈本幹に存在することから腎摘除術の適応と判断した.右腎動脈本幹の仮性動脈瘤に対して術前に経カテーテル的動脈塞栓術(TAE)を行い,突発的な瘤破裂と術中大量出血への予防策を行ったことで,待機的にかつ安全に腎摘出術を施行しえた.現在退院後1 年になるが,片腎に伴う腎機能低下を認めていない.腎動脈本幹の仮性動脈瘤に対し手術が余儀なくされた場合,術前TAE は治療の一助となり得る.

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