症例は2歳5か月,男児.当院受診の1週間前から38°Cの発熱および咳を繰り返し,嘔吐と食事摂取不良を認めた.一旦解熱するも,食事摂取不良は継続し,受診日より再度38°Cの発熱と黒色嘔吐が出現したため,当院を受診した.胸部X線検査および腹部CT検査にてfree air認め,上部消化管穿孔を疑い緊急手術を施行した.腹腔鏡で腹腔内を観察すると上腹部中心に腹膜の発赤と肝下面に白苔や気泡を認め,十二指腸球部前壁に径4 mm大の穿孔部を認めたため,十二指腸穿孔と判断し大網充填および腹腔内洗浄を行った.術後はPPIと抗菌薬の静注を行い,術後5日目に退院した.外来にてPPIの内服からH2-blocker内服に変更し,減量後内服終了とした.術後に上部消化管内視鏡は施行していないが検査結果や経過より十二指腸潰瘍穿孔と診断した.まれな幼児の十二指腸潰瘍穿孔に対して診断的腹腔鏡から腹腔鏡下大網充填術を施行し,良好な経過を得た1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.