2017 年 53 巻 5 号 p. 1009-1013
【目的】尿膜管遺残に対し,近年多くの施設で腹腔鏡下尿膜管摘出術が行われている.しかし,腹腔鏡による摘出は,腹膜損傷による術後腸管癒着を来たす可能性があり,その対策については未だ一定の見解が得られていない.今回我々は,臍輪アプローチによる腹膜外尿膜管摘出術(trans-umbilical extraperitoneal tunneling法:以下TET法)を考案した.本術式は整容性にも優れ,腹膜損傷も最小限であることから有効性が高いと考え報告する.
【方法】2005年10月~2015年10月,当院で尿膜管摘出術をTET法で施行した23症例を対象とし,手術時間,出血量,術後経過を後方視的に検討した.
【結果】対象となった23症例の平均年齢は17.9歳(3か月~44歳),そのうち小児13例,成人10例であり,男女比は15例:8例であった.平均手術時間は101分,平均出血量は7.3 gであり,術後入院期間日数は平均4.4日であった.術後創部感染や臍炎の再発,術後腸閉塞などの合併症は認めなかった.
【結論】TET法は,臍輪内の1か所の創部であり整容性に優れ,腹膜損傷も最小限であり術後腸閉塞のリスクを回避できる有効な手術法であると考えられた.Retractor Ringによる組織牽引は,術野の展開を良好にし,尿膜管剥離に大変有効であった.また,腹腔鏡スコープによる尿膜管観察は,確実な診断と無用な剥離の予防に有効であった.