症例は7歳男児.黒色便,高度貧血にて当科紹介となった.既往歴に低酸素性虚血性脳症,慢性腎不全などがある.上部下部消化管内視鏡,99mTcシンチグラフィでは出血点は不明であった.カプセル内視鏡で上位空腸に出血点を認め,小腸内視鏡で空腸に湧出性出血を伴う約3 mmの隆起性病変を認めた.出血点にクリッピング止血を行ったがその後も黒色便が持続し,6日後に開腹小腸切除術を行った.手術所見では,Treitz靱帯から約3 cm肛門側の空腸腸間膜対側にクリップを触知した.経口的に内視鏡でクリップが腫瘤と同部位にあることを確認し,小腸楔状切除を行った.術後経過は良好で術後26日目に問題なく退院となった.病理検査の結果,自験例は小腸異所性Brunner腺からの出血であったと考えられた.本症は稀な疾患であるが消化管出血の原因として考慮すべきである.