日本小児外科学会雑誌
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原著
低出生体重児の小腸瘻肛門側腸管に腸液注入を行うための工夫とその有用性
吉田 真理子小西 健一郎中原 さおり
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2018 年 54 巻 5 号 p. 1050-1055

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抄録

【目的】当科では低出生体重児の小腸瘻管理において,栄養障害,肝障害,肛門側腸管の廃用性萎縮等を予防するために,肛門側腸管へチューブを留置してほぼ全量の腸液注入を行ってきた.また,最近ではより簡便に注入を行うために分離式腸瘻造設を行っている.今回,小腸瘻肛門側腸管への腸液注入の有用性について,チューブ留置および分離式腸瘻に注目し,検討した.

【方法】2014年1月から2015年12月までに当科で小腸瘻肛門側腸管へ腸液注入を行った低出生体重児7例を対象とし,診療録を基に後方視的に検討した.

【結果】原疾患は壊死性腸炎4例,胎便関連腸閉塞2例,限局性消化管穿孔1例であった.腸瘻造設部位は空腸4例,回腸3例,形態は2連銃式,分離式各3例,ループ式1例であった.術後20~92日に肛門側腸管へチューブを留置し,1~3時間毎に口側腸瘻からの排液をほぼ全量注入した.分離式では2連銃式と比べてチューブの固定,腸液の回収,パウチの交換を確実・容易に行うことができた.注入開始後に全例で一日平均体重増加量,肝機能障害のあった4例全例で肝機能が改善した.腸液注入,チューブ留置,分離式腸瘻に直接関連する合併症はなかった.20~149日間の腸液注入を行った後に腸瘻閉鎖術を施行した.口側・肛門側腸管の口径比は1.4~2.2:1であった.

【結論】低出生体重児の肛門側腸管への腸液の全量注入は一日平均体重増加量の改善に有用であったと考えられた.また,チューブ留置および分離式腸瘻造設により,腸液注入をより安全,容易かつ効果的に行うことができた.今後さらに症例を重ね,最善の注入内容・方法を確立したい.

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