2019 年 55 巻 1 号 p. 78-82
われわれは十二指腸壁内に異所性胆管組織増殖を伴った胆道閉鎖症を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は日齢12の女児.出生前に胎児超音波検査で肝門部付近に囊胞像を指摘されていた.他院にて出生し,膵頭部付近に腹腔内囊胞を認めたため精査目的に当院に紹介された.腹部超音波検査では十二指腸重複症を疑って待機的に手術を予定していた.日齢99日に黄疸と灰白色便を認め,精査の結果,胆道閉鎖症が疑われた.日齢106日に開腹術を施行し,手術所見から胆道閉鎖症IIIb1ν型と診断し,肝門部空腸吻合術を施行した.十二指腸の前壁に20 mm大の囊胞性病変を認めたため,重複腸管組織と考えて同時に切除した.腫瘤の病理組織は異所性胆管組織および異所性膵組織であった.術後,腫瘤切除部の穿孔をきたして再開腹術を要したが,その後の経過は良好で減黄が得られた.