日本小児外科学会雑誌
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原著
当科におけるボタン電池誤飲33例の臨床的特徴と治療アルゴリズムの検討
日野 祐子木下 義晶高橋 良彰小幡 聡伊崎 智子田口 智章
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2019 年 55 巻 4 号 p. 795-801

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抄録

【目的】ボタン電池の普及に伴い,小児のボタン電池誤飲症例が多く報告されているが,治療方針について明確に提示されている文献は少ない.当科におけるボタン電池誤飲症例についてまとめ,治療アルゴリズムについて検討する.

【方法】2008年から2017年までの10年間に当科で経験したボタン電池誤飲の症例33例について,診療録を用いて後方視的にまとめた.

【結果】男児17例,女児16例であった.2例で電池2個,1例で電池3個を誤飲しており,電池の数は計37個であった.年齢中央値は1歳4か月(4か月~8歳6か月)であった.ボタン電池直径は,10 mm以下が14個,11~15 mmが18個,16~19 mmが1個,20 mmが3個,直径不明が1個であった.年齢によって誤飲する電池直径に明らかな差は認めなかった.当科診察時の電池位置臓器については,食道内2個,胃内22個,腸管内13個であった.臓器別の電池直径については食道と胃,食道と腸管にそれぞれ有意差を認めた.

【結論】自験症例の検討およびこれまでの報告より,電池誤飲症例の治療方針を次のように考える.食道内であれば内視鏡での早期摘出および内視鏡による粘膜観察が必要である.後日の内視鏡検査再検も望ましい.胃内であれば,透視下での摘出を行い,摘出困難時には内視鏡下摘出が必要である.腸管内であれば経過観察を行い,3日間排出がなければ腹部単純X線検査で確認する方針である.消化管のいずれの位置であっても,有症状時には外科的摘出の検討が必要である.

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