日本小児外科学会雑誌
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原著
小児膵腫瘤性病変の検討
大倉 隆宏中原 康雄秋山 卓士河﨑 正裕岩村 喜信久守 孝司高尾 智也片山 修一後藤 隆文青山 興司
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2019 年 55 巻 4 号 p. 802-808

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抄録

【目的】小児の膵臓に腫瘤性病変を認めることはまれである.今回,小児膵腫瘤性病変の鑑別診断のため,その臨床像および画像的特徴を比較検討した.

【方法】2005年4月から2017年3月までに関連7施設において,腹部超音波(胎児期を含む),CT,MRIなどの画像検査で膵臓に腫瘤性病変を認めた7施設17症例を対象として,症状,併存疾患,血清アミラーゼ濃度,画像所見,治療,予後について,後方視的に検討した.

【結果】全17症例の診断は,SPN 5例,acute peripancreatic fluid collection/pancreatic pseudocyst(以下APFC/PPC)5例,膵奇形腫1例,膵腺房細胞癌1例,インスリノーマ1例,転移性膵腫瘍1例,膵内副脾1例であり,先天性真性膵囊胞として経過観察中の症例が2症例であった.有症状例が11例であり,腹部外傷後に発見された症例が6例あった.膵dynamic CTを撮像したSPNの3例全例で,漸増性濃染の所見を認めた.またSPNの5例中2例では被膜を認めず,石灰化を認めた症例は1例のみであった.

【結論】小児膵腫瘤性病変には良悪性いずれの疾患も含まれるが,今回の検討ではSPNとAPFC/PPCの頻度が高かった.SPN症例の画像所見では,必ずしも特徴的とされる所見を認めるとは限らないが,膵dynamic CTにおける漸増性濃染の所見が診断に有用と考えた.

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