2019 年 55 巻 4 号 p. 828-834
症例は4歳10か月の男児.間欠的腹痛を主訴に前医を受診,腹部超音波検査にて腸重積症を指摘された.下口唇の色素沈着と家族歴とからPeutz-Jeghers症候群が疑われ,小腸病変の精査加療目的にて当科紹介となった.当院のCTで小腸小腸型の腸重積を認め,先進部としてポリープの存在が示唆されたため全身麻酔下にシングルバルーン小腸内視鏡を施行した.手技や安全性に問題なく,切歯から60 cmの空腸内に25 mmと8 mm大のポリープ2個を発見して切除した.小腸内視鏡は2000年にわが国で開発されたが,小児ではダブルバルーン内視鏡による治療報告は散見されるもののシングルバルーン内視鏡を使用した報告はほとんどない.シングルバルーン内視鏡は,小児の小腸病変の精査・治療においても選択肢の一つになり得ると考えられた.