【目的】九州小児外科研究会参加施設に臍ヘルニア治療に関する後方視的アンケート調査結果を行い,その結果に基づき臍ヘルニアのテープ固定療法の有用性を検討した.
【方法】症例登録期間は2013年1月から2015年12月までとし,2016年6月末時点での治療結果を集計した.
【結果】九州・沖縄・山口地区の24施設から回答を得た.臍ヘルニアの治癒判定はヘルニア門の閉鎖とする施設が最も多く,アンケート結果集計でもこの基準を採用した.テープ固定治療を受けた乳幼児は1,320例で,治癒と判定された症例が908例,非治癒と判定された症例は158例,皮膚障害による治療中止例が48例,転居などで中途脱落した症例が206例であった.自然経過観察症例は,テープ固定症例より大幅に少なく333例であった.治癒と判定されたのが146例,非治癒が111例,転居などで転帰不明が76例であった.治癒率はテープ固定群85.2%,自然経過群56.8%であり,テープ固定群の治癒率が有意に高かった(p<0.05,χ2乗検定).また治癒までの期間もテープ固定群では治癒症例の約80%の症例が治療開始から4か月以内に治癒していたのに対し,自然経過群では治癒までに1年以上かかっている症例が多かった.
【結論】臍ヘルニアのテープ固定療法は早期に治癒が得られる利点はあるが,治癒率は従来言われてきた2歳で90%という自然治癒率を超えていなかった.今回のアンケート調査による臍ヘルニアの自然治癒率は従来言われてきたものよりも低く,臍ヘルニアの自然治癒率は前向き研究による再調査が必要と思われる.