2020 年 56 巻 4 号 p. 421-425
症例は15歳の男児.腹痛を主訴に前医を受診し,汎発性腹膜炎の診断で当院へ紹介された.身体所見で腹膜刺激症状を認め,腹部CT検査で腹水とclosed loopを形成した絞扼性イレウスと診断した.さらに,回腸から連続し口側が狭窄した先端が盲端の管腔構造を認め,絞扼性イレウスを伴ったMeckel憩室茎捻転の診断で緊急手術を施行した.全身麻酔下に臍縦切開にて腹腔鏡で観察すると,回盲部から約50 cm口側でMeckel憩室を認め,憩室及びその先端から腸間膜に連続する索状物により絞扼性イレウスを来たし,さらに憩室はその茎部で360度捻転し暗赤色に変色していた.索状物を切離すると絞扼腸管は色調が改善し腸管切除は行わず,Meckel憩室楔状切除を施行した.術後経過良好で術後10日目に退院した.開腹歴のない小児のイレウスは,Meckel憩室の関与を念頭に置き,診断および治療を行っていくことが重要であると考えられた.