日本小児外科学会雑誌
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症例報告
精巣上体炎との鑑別に苦慮するもCTで術前診断できた小児Amyand’s herniaの1例
都築 行広北河 徳彦新開 真人山崎 雄一郎望月 響子臼井 秀仁下木原 航太藤井 俊介河北 一誠篠原 彰太
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2020 年 56 巻 7 号 p. 1156-1160

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抄録

Amyand’s hernia(AH)は,虫垂を内容とする鼠径ヘルニアを病態とした稀な疾患で,術前診断は難しいとされる.精巣上体炎との鑑別に苦慮するも,CTで術前診断できた症例を経験したので報告する.症例は1歳3か月,男児.右鼠径部の膨隆,右陰囊の発赤腫脹を主訴に来院した.精巣上体炎と診断し,経口抗菌薬で保存的加療を開始したが,臨床所見は改善しなかった.第6病日に,超音波画像で認めた鼠径管内索状物の精査目的に造影CTを撮影し,虫垂炎を伴うAHと診断,手術を施行した.鼠径法でアプローチすることで,鼠径管内の膿瘍による汚染を腹腔内へ波及させることなく,虫垂切除術と鼠径ヘルニア手術を同一術野から完遂した.精巣上体炎と診断した初診時の超音波検査を後方視的に検討すると,鼠径管内に脱出した虫垂が細い索状物として同定できたが,この時点でAHと確定診断することは難しく,CTが術前診断に有用であった.

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