今回,鼠径部アプローチに経陰囊操作を加えて高位精巣摘除術(本法)を行った精巣原発卵黄囊腫瘍の2幼児例を経験した.【症例1】1歳8か月男児.左陰囊腫大とAFPの上昇(1,593 ng/ml)を認め,精巣腫瘍を疑い,本法を行った.精巣は26×23 mmと腫大し,内部は充実性で単一の腫瘍であった.病理では卵黄囊腫瘍の診断で精巣内に限局しており,病期I期の診断となった.【症例2】1歳8か月男児.左陰囊腫大とAFPの上昇(668 ng/ml)を認め,精巣腫瘍を疑い,本法を行った.精巣は35×25 mmと腫大し,内部は多結節性で正常精巣組織を一部に認めた.病理では卵黄囊腫瘍の診断で精巣内に限局しており,病期I期の診断となった.【結語】病期I期の卵黄囊腫瘍は予後良好であるが,術中操作が術後診断や予後に影響を与える可能性がある.本法を行うことで,より適切な手術操作を行うことが可能であると考えられた.