日本小児外科学会雑誌
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症例報告
MRCPが診断および手術に有用であった小児胆囊捻転症の1例
北田 智弘春本 研高松 由布子山本 美紀
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2022 年 58 巻 4 号 p. 717-720

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抄録

症例は,特に既往のない7歳男児.嘔吐と下腹部痛とタール便を主訴に前医受診し腸炎の診断で入院した.絶食と点滴で腹痛軽快したため食事再開したところ食直後から腹痛再燃したため腹部CT検査を行い,急性胆囊炎の診断にて当院へ転院搬送された.血液検査では肝・胆道系酵素,白血球数,炎症反応は全て基準範囲内であった.腹部超音波検査では胆囊壁が1 cmまで肥厚していた.造影CT検査で腫大した胆囊を認め胆囊壁は造影されなかった.MRCP検査で胆囊が胆囊管の高さで反時計回りに360度捻転している像を認めたため,胆囊捻転症と診断し開腹胆囊摘出術を行った.胆囊捻転症は小児では稀であり特徴的な症状が少なく診断に難渋することが多いが本症例ではMRCPが診断および手術に有用であった.若干の文献的考察を加え報告する.

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