2022 年 58 巻 4 号 p. 721-727
症例は8歳女児.2歳から3歳にかけて原因不明の発熱,熱性痙攣を繰り返していた.今回,痙攣重積発作時の腹部造影CTにて両側重複腎盂尿管を認めたため当科紹介となった.腹部超音波,腎シンチグラフィにて右下半腎のみの高度の萎縮があり,排尿時膀胱尿道造影にて右腎の膀胱尿管逆流を認め,膀胱鏡検査にて両側完全重複腎盂尿管と診断した.後腹膜鏡下右下半腎および所属尿管切除を行い,術後半年の排尿時膀胱尿道造影では遺残した右下所属尿管以外に膀胱尿管逆流はなく,術後2年3か月が経過したが発熱,痙攣は完全に消失している.一般的に完全重複腎盂尿管は上半腎所属尿管の開口部は下半腎所属尿管開口部位より尾側に認められ,上半腎の萎縮,あるいは下半腎所属尿管の膀胱尿管逆流を認めることが多いとされている.本症例は上半腎ではなく下半腎のみが萎縮しており,逆流がその原因と考えられた.