日本小児外科学会雑誌
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症例報告
胎便性腹膜炎術後遠隔期に発症し,腹腔鏡下卵管切除術を施行した小児卵管留水症の1例
江里口 光太郎岡本 晋弥鹿子木 悠渡邉 健太郎片山 哲夫
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2022 年 58 巻 4 号 p. 728-733

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抄録

症例は10歳女児.新生児期の胎便性腹膜炎に対する2回の手術歴がある.腹痛と発熱を主訴に紹介受診となり,左卵管留膿症に対して抗菌薬治療で軽快した.外来経過観察中に両側卵管留水症が出現,12歳時に最大径11.5 cmと左卵管が著明に拡張し,腹痛の頻度増加と腹部膨満により食事摂取が低下したため,婦人科にもコンサルトを行い,自然妊娠が困難で再感染の可能性があること,生活の質改善と将来の生殖補助医療の成功率向上のため単孔式腹腔鏡下両側卵管切除術を施行した.右卵管は全摘できたが,左卵管は周囲との癒着が高度で,左尿管と左卵巣周囲に一部壁を残して亜全摘となった.術後は合併症なく経過良好である.小児の腹部及び骨盤腔の術後遠隔期には卵管留膿症や卵管留水症が発症する可能性があるため,骨盤腔の囊胞性病変を伴う腹痛の鑑別診断として,特に思春期以降には留意すべきである.

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