2023 年 59 巻 5 号 p. 868-871
高吸水性樹脂素材製品による誤飲は一般的な消化管異物とは症状経過を異にすることがあり,その報告例も近年散見される.症例は15歳11か月女児,精神運動発達遅滞にて経過観察中,12日前より嘔吐症状が出現し,徐々に増悪,画像検査で小腸内異物による腸閉塞と診断され,緊急開腹術にて小腸異物を摘出された.異物の通常の形態は摘出時の半分ほどのサイズだった玩具であり,消化管内溶液を吸水して増大し,小腸内で不動となり腸閉塞を引き起こしていた.高吸水性樹脂素材は腸内でより膨張しやすい特徴があり,誤飲した場合に有害事象を引き起こすボタン電池や複数個の磁石に加え,新しいタイプの異物と位置づけることができ,留意が必要であると思われる.