オレオサイエンス
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特集総説論文
偏光高速度イメージングにより開かれる未来
大沼 隼志
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2018 年 18 巻 11 号 p. 567-572

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抄録

高速度カメラは80年以上の歴史を経て,現在までに数多くの撮影手法が提案された。例えば,顕微鏡観察手法,光増倍観察手法,分光温度計測手法が挙げられる。一方で,それらの撮影手法を光学特性で分類すると,偏光を用いた手法が少ない。偏光計測分野では,回転検光子,光弾性変調器,および液晶を用いた手法により定量化が可能となり,膜厚計測,形状計測,および複屈折計測へ応用された。しかしながら,従来の複屈折計測手法では,偏光素子を時間変調するため,動的現象の計測ができない。異なる手法として,回転偏光板とイメージングを組み合わせた手法が提案されているが,偏光素子の回転を伴うため高速化が難しい。これらの背景を踏まえ,筆者達のグループは偏光高速度イメージング装置開発を行うことで,高速度イメージングにおける偏光分野への新規利用用途拡大を目指している。要素技術である偏光高速度イメージセンサは,マイクロ偏光素子アレイと高速度イメージセンサの並列読み出し画素を直結し,高速化を実現したものである1)。本論では,その要素技術について概要説明するとともに,新規開拓された用途を紹介するものである。

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© 2018 公益社団法人 日本油化学会
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