2023 年 59 巻 5 号 p. 878-884
症例は日齢2の女児.出生後から非胆汁性嘔吐の経時的増悪を認め,当院へ紹介となった.腹部単純X線写真にて広範なfree airを認め,また腹部超音波検査にて混濁した腹水と右下腹部にtarget signを認めたため,腸重積症による消化管穿孔を疑った.緊急手術を施行したところ,内翻したメッケル憩室およびその口側回腸に穿孔部位を認めた.穿孔部・内翻部を含む回腸を部分切除し,一期的に端々吻合を行った.術後は順調に経過し日齢17に自宅退院となった.切除部位には,病理学的に異所性胃粘膜や潰瘍形成は認めなかった.本病態の発生機序としては,内翻したメッケル憩室により小腸狭窄を生じ,経口摂取によって腸管内圧が上昇したことで,口側回腸に穿孔を生じたと考えられた.穿孔部位を含め,周囲の腸管にも壊死所見は認めなかったことから,一期的吻合が可能であった.