2024 年 60 巻 5 号 p. 797-803
新生児の回腸ストーマ管理では,ストーマ口側腸管排液(以下:腸液)をストーマ肛門側腸管内へ還元する方法が広く行われているが,この方法のみでは長期的な輸液管理が必要な症例も多い.輸液管理による水分・電解質の補充の代替法として,腸液と組成が類似する重炭酸リンゲル液の肛門側腸管内への注入(以下:本法)を5例に施行した.原疾患は胎便関連性腸閉塞3例,壊死性腸炎と先天性回腸閉鎖症が各1例,在胎週数は25~37週,出生時体重は533~3,120 gであった.本法により,全例で体重増加(導入前3.8 g/日,導入20.4 g/日)と血清HCO3-濃度の改善(同前18.8 mEq/ l,同後22.9 mEq/ l)が得られた.合併症は,浮腫と代謝性アルカローシスを各1例に認め,浮腫を認めた1例を除く4例でストーマ閉鎖前に輸液管理から離脱できた.新生児の回腸ストーマ管理において,本法は輸液療法の代替となり得る可能性があると考えられた.