日本小児外科学会雑誌
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症例報告
小児外傷性IIIb型膵損傷に対し,非手術療法にて治癒しえた1例
―非手術療法の適応について,本邦23例の文献的考察―
藤解 諒 兒島 正人栗原 將佐伯 勇芹川 正浩高橋 信也
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2024 年 60 巻 5 号 p. 804-812

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抄録

主膵管損傷を伴う小児IIIb型膵損傷(以下,本症)はまれな病態であり,いまだ確立された治療法はない.我々は本症に対し,仮性膵囊胞を内瘻化することで,非手術療法(Non Operative Management:以下,NOM)にて治癒しえた1例を経験した.自験例を踏まえ,本邦23例の報告をもとにNOMの適応について検討を行った.症例は6歳男児.校庭で転倒し,腹部を受傷.CT検査で本症と診断とされ,当院へ搬送となった.全身状態は安定していたため保存的加療を選択したが,腹部症状の改善乏しく,CT検査を再検すると2個の仮性膵囊胞を認めた.それぞれ経皮経胃ドレナージ,超音波内視鏡(Endoscopic Ultrasonography)下ドレナージを行い,囊胞を内瘻化することで治癒しえた.受傷後1年経過したが,腹部症状や仮性膵囊胞の再燃なく経過している.本症においては患児の年齢や体格,臨床症状に応じた治療方針の選択が重要であり,全身状態が安定している場合にはNOMも有効な選択肢であると考えられた.

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