日本小児外科学会雑誌
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原著
臍腸瘻を合併した臍帯ヘルニアの臨床像に関する検討
堺 貴彬山道 拓 𠮷田 美奈高山 慶太宇賀 菜緒子梅田 聡神山 雅史奥山 宏臣臼井 規朗
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2024 年 60 巻 6 号 p. 890-895

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抄録

【目的】臍帯ヘルニアは,染色体異常や心奇形をはじめとした合併奇形が多いことが知られている.消化管の先天異常については臍腸瘻やメッケル憩室などの合併に関する症例報告が散見されるものの,まとまった症例集積研究はこれまで行われていない.そこで我々は,臍腸瘻を合併した臍帯ヘルニアの症例を集積し,その臨床像の特徴,治療方針について検討した.

【方法】対象は1981年から2021年までの間に大阪母子医療センター及び大阪大学医学部附属病院で診療を行った臍帯ヘルニアのうち,臍腸瘻を合併した症例とした.対象症例についての周産期情報と,出生後から退院までの臨床経過について,診療録にもとづいて後方視的に検討した.

【結果】対象症例は15例であった.男児9例,女児6例で,在胎週数は中央値36週1日(範囲:32週0日~41週0日),出生体重は中央値2,300 g(範囲:1,356~3,714 g)であった.病型は14例(93.3%)が臍帯内ヘルニアで脱出臓器は腸管のみであり,1例が臍帯ヘルニアで腸管,肝が脱出していた.染色体異常の合併は8例(53.3%)に認められており,すべて13トリソミーであった.心奇形は7例(46.7%)に合併しており,そのうち6例は13トリソミーの児であった.腹壁修復術を施行した15例のうち,9例が生存退院した.死亡した6例のうち5例は13トリソミーの症例であり,いずれも心奇形を伴っていた.

【結論】臍腸瘻を合併した臍帯ヘルニア症例は,染色体異常と合併心奇形が予後に大きく影響すると考えられた.臍腸瘻を伴う臍帯ヘルニアの手術適応は,治療の目標を明確にした上で判断すべきであると考えられた.

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