前皮神経絞扼症候群:Anterior cutaneous nerve entrapment syndrome(ACNES)は10から18歳の慢性腹痛の約13%と一定数存在する.しかし,疾患の認知度はいまだ低いのが現状である.両側ACNESの外科的治療成績は片側例と比較して低い可能性があり,追加の治療が必要になる場合も多い.我々は診断に難渋した両側のACNES患児に対して神経切除術を行い,良好な結果が得られたため報告する.症例は12歳,女児.当科受診の4か月前から臍の左右を中心とした腹痛があった.血液検査や画像検査で異常は認めず,保存的治療は無効であった.Carnett徴候陽性であることや,トリガーポイント注射で一時的に痛みが軽減することからACNESと診断した.腹直筋の前後のレベルで神経切除術を行うと,術直後から痛みは消失した.両側のACNESに対する外科的治療において,腹直筋の前後のレベルで神経切除術を行うことは,根治性を高める可能性がある.