日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
症例報告
左右の腹痛を呈して診断に難渋した両側Anterior cutaneous nerve entrapment syndrome(ACNES)の1例
原田 七海藤井 喬之 田中 彩形見 祐人戸田 恵梨中條 浩介荻野 祐一近藤 健夫近藤 園子下野 隆一
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2024 年 60 巻 7 号 p. 985-989

詳細
抄録

前皮神経絞扼症候群:Anterior cutaneous nerve entrapment syndrome(ACNES)は10から18歳の慢性腹痛の約13%と一定数存在する.しかし,疾患の認知度はいまだ低いのが現状である.両側ACNESの外科的治療成績は片側例と比較して低い可能性があり,追加の治療が必要になる場合も多い.我々は診断に難渋した両側のACNES患児に対して神経切除術を行い,良好な結果が得られたため報告する.症例は12歳,女児.当科受診の4か月前から臍の左右を中心とした腹痛があった.血液検査や画像検査で異常は認めず,保存的治療は無効であった.Carnett徴候陽性であることや,トリガーポイント注射で一時的に痛みが軽減することからACNESと診断した.腹直筋の前後のレベルで神経切除術を行うと,術直後から痛みは消失した.両側のACNESに対する外科的治療において,腹直筋の前後のレベルで神経切除術を行うことは,根治性を高める可能性がある.

著者関連情報
© 2024 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top