2025 年 61 巻 5 号 p. 812-817
症例は頻回の嘔吐を呈する1歳の男児.十二指腸内に総胆管末梢の拡張による囊胞性病変がみられた.膵・胆管合流異常は伴わなかったが,胆囊内胆汁中amylaseは6,048 IU/ lと上昇していた.Choledochoceleの診断で十二指腸下行脚の前壁を切開して囊胞切除と胆囊摘出を施行した.術後,食事摂取に伴い嘔吐が再出現し,上部消化管造影検査で十二指腸狭窄がみられたため再手術を施行した.初回手術の囊胞切除部位より口側で輪状膵による十二指腸狭窄を認め,十二指腸十二指腸吻合術を施行した.術後6年が経過し症状再燃なく胆管拡張もみられていない.Choledochoceleは稀な疾患であり,治療法について議論の余地がある.その決定には膵・胆管合流異常の有無が重要であることが知られているが,本症例のように膵の形態異常を伴うことがある.私たちの治療経験とともに,診療にあたっての注意点を報告する.