日本小児外科学会雑誌
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症例報告
動静脈奇形が関与したと考えられる小腸穿孔の1乳児例
松井 淳高間 勇一竹村 理璃子廣瀬 雄輝三藤 賢志佐々木 隆士
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2025 年 61 巻 5 号 p. 818-822

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抄録

消化管動静脈奇形の症状のほとんどは血便,貧血であるが,ごく稀に腸重積,腸閉塞,穿孔等を呈する.今回消化管動静脈奇形を伴う小腸狭窄から小腸穿孔を来した乳児例を経験したので報告する.症例は胎生期より腸管拡張が指摘されていた月齢10の男児.出生後も小腸拡張は認めたが,各種検査で原因は特定されなかった.腸閉塞症状はなく体重増加も良好であったため経過観察されていた.月齢10に発熱,嘔吐が出現し,前医のCTで腹腔内free airが認められたため当院に搬送された.消化管穿孔の術前診断で同日緊急手術を施行したところ,回盲部から口側40 cmの回腸に狭窄とその口側小腸の拡張があり,狭窄の口側近傍にピンホールを認めた.小腸狭窄に起因する小腸穿孔と診断し,狭窄部を含む約17 cmの小腸を切除し端々吻合で再建した.病理組織学的検査で狭窄部の消化管壁内に動静脈奇形を疑う病変を認め,狭窄への関与が疑われた.術後経過は良好で術後11日目に退院し,その後は症状の再燃なく経過している.

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