男児における陰囊鼠径部手術の際,稀に精巣固有鞘膜微小結節を偶発的に認めることがある.著者らもこれまで4症例を経験したがいずれも生後11か月から5歳の男児で,停留精巣または移動精巣に対する精巣固定術時に精索または精巣近傍の精巣固有鞘膜外において1~3 mm大の脂肪様の微小結節が指摘された.全て容易に摘出できたものの当初は病理診断に苦慮し,免疫染色を踏まえた最終診断は異所性副腎(以下,本症)とされた.本症は胎児期の副腎-生殖腺原基からの分化異常および精巣下降時に伴う発生過程の位置異常が病因と考えられている.基本的に無症候性で自然退縮することが多いが,将来的に過形成変化や内分泌症状を誘発する可能性も否定できない.また,術中の肉眼診断は困難であるため,摘出後は免疫染色検査を含む組織学的評価を早期に行って診断を確定することが重要である.