日本小児外科学会雑誌
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症例報告
腸間膜囊胞を起点とした横行結腸捻転に偽膜性腸炎を合併したCornelia de Lange症候群の1例
石井 生 石井 大介目谷 勇貴元木 惠太久万田 優佳松本 陽上小倉 佑機宮城 久之
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2025 年 61 巻 6 号 p. 925-929

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抄録

症例はCornelia de Lange症候群(CdLS)の23歳,女性.総腸間膜症を有し,これまでにS状結腸捻転を繰り返していた.来院前日より嘔吐と軟便が出現し,夜間に多量の下血を認めた.画像上は結腸全体の浮腫を認め,結腸捻転に伴う絞扼性腸閉塞の疑いで手術を施行した.術前のClostridium difficile(CD)トキシンが陽性であり,同時に治療を開始した.術中所見では横行結腸に相当する腸間膜に腸間膜囊胞と周囲結腸及び腸間膜の発赤を認め,囊胞を起点とした結腸捻転と診断した.腸間膜囊胞切除と,再捻転予防のため短縮した横行結腸間膜を十分に広げて手術を終了した.術後経過良好で,14日目に退院となった.CdLSでは消化器系の合併症を多く有するが,今回は腸間膜囊胞を起点とする横行結腸捻転であった.結腸捻転を繰り返す中で重篤化し手術に至った症例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.

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