日本小児外科学会雑誌
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原著
当科で経験した精巣捻転症例におけるTWISTスコアの有用性についての後方視的検討
遠藤 耕介 溝上 優美東尾 篤史園田 真理岩出 珠幾福澤 宏明佐藤 正人
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2026 年 62 巻 1 号 p. 43-48

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抄録

【目的】精巣捻転症は代表的な小児泌尿器科領域の救急疾患であり,迅速に診断・治療介入を行うために身体所見のみで算出可能なTWISTスコアが提唱された.その有用性に関して報告が散見されるが,本邦からの報告は限られている.今回,当科で経験した精巣捻転症症例を対象としてその有用性について検討した.

【方法】2016年から2024年までに当科で手術を施行した精巣捻転症の43症例を対象とし,診療録から患者背景,TWISTスコアと各項目,手術術式と治療経過について検討した.また精巣固定術を施行し術後に精巣萎縮を認めなかった予後良好群(G群)と,精巣萎縮を認めた,または除睾術を施行した予後不良群(P群)とに分けて比較を行った.

【結果】TWISTスコアの各所見に関して,「精巣腫脹」が42例(97.6%),「硬い精巣」が31例(72.1%),「精巣挙筋反射の消失」・「嘔気・嘔吐」・「精巣高位」が各々33例(76.7%)で記載されていた.25例でTWISTスコアが算定可能で,うち5例が2点だった.G群とP群との比較ではTWISTスコアに有意差を認めなかったが,各項目では「精巣腫脹」(p=0.004)と「硬い精巣」(p=0.036)がG群で有意に少なかった.「精巣腫脹」が陰性の症例の検討ではその他の項目の少なくとも一つが陽性を示した.

【結論】TWISTスコアが2点でも精巣捻転症のことがあり,低スコアの場合に注意が必要だが,TWISTスコアに基づいた診療を行う事で「精巣腫脹」のない診断困難な症例でも見逃しを回避できる可能性がある.

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