日本小児外科学会雑誌
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症例報告
経カテーテル動脈塞栓術とABTHERA®によるopen abdominal managementにて救命しえた小児IIIb肝損傷の1例
平原 慧 亀井 尚美大津 一弘栗原 將佐伯 勇
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2026 年 62 巻 1 号 p. 72-78

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抄録

小児に対するABTHERA®による腹部開放管理(open abdominal management:以下OAM)の報告は少ない.今回,我々は小児重症肝損傷に対して経カテーテル動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:以下TAE)とABTHERA®によるOAMを行い,肝切除を要さずに経過した症例を経験したので報告する.症例は10歳男児.遊具で誤って転倒した際に,腹部を打撲し当院に搬送となった.造影CT検査にて重症肝損傷IIIb(複雑深在性損傷)と診断し,初期輸液には反応したものの,TAEでは完全な止血が得られずに動脈以外の出血が疑われたためダメージコントロール手術(damage control surgery:以下DCS)を行った.ABTHERA®によるOAMを行いながら,高次医療機関に転院搬送,second lookにて止血が確認され,合併症なく救命することができた.

今回,小児重症肝損傷に対して初めてABTHERA®を用いたが,速やかに出血と汚染をコントロールし計画的なDCS戦略を行うことができたため,小児においても有効であった.

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