2026 年 62 巻 2 号 p. 224-227
症例は既往のない女児で,生後1か月時に活気不良を主訴に受診し,高度貧血を認めた.画像所見からリンパ管腫の出血による腹腔内出血が疑われ,経過観察目的に入院した.出血の再燃なく第7病日に退院したが,第14病日に再出血し,第28病日に審査腹腔鏡を行った.術中所見では横行結腸間膜に血腫を認めこれを切除したが,第51病日,74病日に血腫および腹腔内出血が再発した.原因検索のため繰り返し超音波検査を行ったところ,胃大彎側に胃重複症を疑う囊胞性病変を認め,第84病日に開腹手術を施行した.胃前庭部大網内に穿孔を伴う重複胃を認め,腹腔内出血および腸間膜上の血腫は同部位より出血し形成されたものと判明した.重複胃を切除し,欠損部を修復し手術を終了した.術後経過は良好であり第94病日に退院した.本症例のように腹腔内出血と貧血を繰り返した胃重複症はこれまで報告がなく,診断に難渋した.文献的考察を加え,報告する.