片肺全無気肺を呈した巨大囊胞性縦隔病変に対し,囊胞ドレナージによる減圧を先行させ,呼吸状態を安定化させた後に根治的摘出を行う二期的手術を施行した.症例は左主気管支を閉塞する巨大囊胞性病変により左全無気肺を呈した1歳男児.左無気肺により大血管が集簇しており,患側(左側)アプローチが困難であったため,体外式膜型人工肺(ECMO)準備下に健側(右側)開胸による囊胞ドレナージで白濁粘液を排出し左肺の再膨張を得た.呼吸循環動態の安定後,10日後に囊胞摘出を施行した.術後経過は良好で,合併症なく退院した.病理診断は気管支原生囊胞であった.片肺全無気肺を呈する縦隔囊胞性病変では,麻酔導入時の換気不全や循環虚脱の危険が高く,減圧を先行させる二期的手術は安全かつ有効な治療戦略であると考えられた.