日本小児外科学会雑誌
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症例報告
粘膜下囊胞性腫瘤との鑑別を要した胃壁内血腫の幼児例
川本 里紗田中 夏美
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2026 年 62 巻 4 号 p. 896-900

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抄録

2歳4か月の男児.40度の発熱と感冒症状が2日間続き,近医受診して感冒薬を処方された.第4病日から黒色便と活気不良が続き第5病日に前医へ救急搬送され,Hb 10.6 g/dlの貧血があり上部消化管出血の疑いで緊急入院した.腹部造影CT検査で胃体上部後壁に径17 mmの囊胞性病変を認め,絶食とプロトンポンプ阻害薬投与で経過観察中の入院3日目にHb 8.9 g/dlに低下した.上部消化管内視鏡検査で胃体上部後壁に糜爛を伴う隆起性病変を認め,精査加療目的に入院9日目に当院へ転院した.出血を伴う胃粘膜下囊胞性腫瘤の疑いで手術を予定したが,転院4日目の腹部造影CT検査で囊胞性病変が消失しており,転院5日目の上部消化管内視鏡検査と超音波内視鏡検査で胃粘膜下病変は消失し同部に潰瘍瘢痕を認めた.胃壁内血腫と診断しH2ブロッカーと鉄剤内服で貧血が改善して全身状態良好となったため転院8日目に退院した.1年後の腹部造影CT検査で胃壁内血腫の再発なく経過している.

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