2026 年 62 巻 4 号 p. 906-910
腸重積症の多くは特発性腸重積症であるが,器質的疾患を有する症例が含まれる.症例は腹痛を主訴に救急受診した15歳の女児で,腹部造影CT検査で先進部に腫瘤性病変を伴う小腸小腸重積を指摘され,また肺動静脈瘻と重積部以外の小腸内に複数の腫瘤性病変を認めた.単孔式腹腔鏡補助下腸重積解除術と腫瘤生検を行い,病理検査結果は過誤腫性ポリープであった.遺伝子検査を含む追加検査を行い,遺伝性出血性毛細血管拡張症を伴う若年性ポリポーシス症候群の確定診断に至った.若年性ポリポーシス症候群は悪性腫瘍の高リスク群であるため定期的なサーベイランスが必要で,SMAD4陽性例では血管病変にも留意が必要である.小腸小腸重積を呈する症例は稀であるが,診断によって適切なサーベイランスに繋げることができた.小腸ポリープは腸重積が再発する可能性があり,若年性ポリポーシス症候群の診断に至った場合は可及的早期の内視鏡的ポリープ切除が望ましい.