日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
症例報告
力に影響された広汎型重度歯周疾患の包括診療+Brachy-Facial-Typeの30年経過症例から歯周治療の大局を探る
平野 治朗
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2026 年 68 巻 2 号 p. 70-84

詳細
抄録

広汎型重度歯周炎症例では,複数の複雑な発症因子が関与し,通常の包括的診療フローでは過不足のない治療介入が困難となる。このような症例では精度の高い臨床診断と多様な治療法の選択が求められる。本症例は,力の影響を強く受け,臼歯部に重度の垂直性骨吸収と咬合崩壊過程を呈した広汎型重度歯周炎(ステージIV,グレードC)患者である。天然歯を可能な限り保存し,フルクロスアーチスプリントによって口腔機能を再構築した。SPT移行後も30年間にわたり歯列を保全し良好な生活改善を得られている。これは精密な包括的歯周治療に加え,診療システムおよびSDM(Shared Decision Making)が確立し,患者の生活環境における健康管理が維持されたことによる成果である。

著者関連情報
© 2026 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top