症例は4歳男児.5日前より腹痛と嘔吐があり,前医で急性胃腸炎として対症療法が行われていたが,嘔吐内容が胆汁性となった.腹部造影CTで腸捻転および囊胞性病変の所見を認め,当院へ搬送された.緊急手術を施行したところ,小腸間膜に18×13 cmの囊胞性病変を認め,同部位を原因として小腸が900度反時計回りに捻転していた.捻転を解除したところ腸管の壊死は認めず,小腸を10 cm合併切除して囊胞を摘出した.病理診断はリンパ管腫であった.本症例は発症から5日が経過し,900度の高度捻転を認めながらも,腸管壊死に至らなかった稀な1例である.その要因として,内容液が乳びであったことから示唆される亜急性の経過に加え,限られた空間内で増大した囊胞が尾側から捻転の基部を支える形となり,腸間膜にかかる荷重を物理的に緩和し,血管内腔の伸展・圧潰を免れた可能性が推察された.