2026 年 62 巻 6 号 p. 1040-1044
腸回転異常症は新生児期の胆汁性嘔吐で発症することが多いが,非特異的な腹部症状に留まることもある.症例はPfeiffer症候群の9歳男児.繰り返す腹部膨満と嘔吐に対し,呑気症などの基礎疾患に伴う症状として保存的に加療され,精査されずに経過していた.9歳時に症状が増悪し,腹部造影CT検査で腸回転異常症と診断しLadd手術を施行した.術後は呑気による胃排泄遅延を認めたが,経鼻空腸栄養を併用し術後57日目に退院した.以後,嘔吐なく経過している.Pfeiffer症候群を含むfibroblast growth factor receptor(FGFR)関連疾患では腸回転異常症が極めて高率に合併することを認識すべきである.本症例のように基礎疾患を持つ児の腹部症状に対し,安易に基礎疾患に帰属させず,器質的疾患の可能性を念頭に積極的な精査を行うことが重要である.