2024 年 2 巻 1 号 p. 78-85
本症例は,フットサル日本代表女子選手に対し,左膝前十字靭帯再建術後に段階的な代謝系トレーニングを実施し,競技復帰へのサポートを行った事例である。術後3ヶ月より患部のリハビリテーションと並行して,自転車エルゴメーターを用いて,有酸素性代謝能力と無酸素性代謝能力の維持・向上を目的とした代謝系トレーニングを実施した。術後4,5,6,7,9,11ヶ月では有酸素性代謝能力の評価を目的に漸増負荷試験を実施し,術後7,11ヶ月では無酸素性代謝能力の評価を目的に無酸素パワーテストをそれぞれ実施した。本症例は代謝系トレーニングを併用したことにより,競技復帰に必要な代謝能力を回復した状態で術後10ヶ月に競技復帰した。自転車エルゴメーターを用いた代謝系トレーニングは,前十字靭帯再建術後の膝関節への負荷を考慮しながら競技復帰に必要な代謝能力の向上を図るトレーニング方法として,有益であることが示唆された。