1988 年 10 巻 5 号 p. 531-535
中葉(舌区)症候群48例の気管支鏡所見を中心に, 肺癌例(n=10)結核例(n=2)との比較を混じえて検討した。内視鏡所見はLumen, Bifurcation, Mucosaの3点に焦点を合わせて観察したが, いずれの項目においても本症候群は肺癌や結核例より明らかに所見は乏しかった。すなわち, 本症候群では約半数にしか所見がみられなかったが, 肺癌や結核例ではほぼ全例に激しい所見がみとめられた。これは, 本症候群には入口部(B^4, B^5)の変化が有意なタイプと, 中葉および舌区そのもの(S^4, S^5)の変化が有意なタイプとの2通りが存在することを示唆していた。