気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
ISSN-L : 0287-2137
中葉(舌区)症候群(内視鏡所見からみた気管支の慢性炎症性疾患)(第 11 回日本気管支学会総会特集)
細川 芳文
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 10 巻 5 号 p. 531-535

詳細
抄録

中葉(舌区)症候群48例の気管支鏡所見を中心に, 肺癌例(n=10)結核例(n=2)との比較を混じえて検討した。内視鏡所見はLumen, Bifurcation, Mucosaの3点に焦点を合わせて観察したが, いずれの項目においても本症候群は肺癌や結核例より明らかに所見は乏しかった。すなわち, 本症候群では約半数にしか所見がみられなかったが, 肺癌や結核例ではほぼ全例に激しい所見がみとめられた。これは, 本症候群には入口部(B^4, B^5)の変化が有意なタイプと, 中葉および舌区そのもの(S^4, S^5)の変化が有意なタイプとの2通りが存在することを示唆していた。

著者関連情報
© 1988 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top