1988 年 10 巻 5 号 p. 536-545
RAとSjSの内視鏡所見は, いかなる機序によって惹起してきたかを, 臨床所見, 胸部X線像, SAB, TBLB, BALF細胞成分と液性成分, 免疫組織学的検索を通して検討した。RA55例は, 高率にBEを合併し, 内視鏡的所見は強い萎縮性変化と発赤であった。呼吸器症状が先行する例は75%に認められ, SABにてBO∿BBO病変が確認された。胸部X線上, 無所見から軽微な肺病変例はBALFリンパ球分画が高値であり, TBLB像で強度の胞隔炎を認めた。一方, 肺病変進展例ではBALF好中球分画が高値で, 線維化傾向を認めた。要因として喫煙, 治療薬よりもNCAの関与が重要であると示唆された。RA合併のないSjS12例は軽い萎縮性変化と血管増生と拡張を示し, siccaの存在がなく, リンパ球高値例が多く, OKT_4細胞優位で, 免疫組織学的に細気管支と胞隔にOKT_4細胞が証明された。2疾患の肺病変の発症要因に差異があるものと推察された。