気管支学
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気管支平滑筋腫 : 症例報告と本邦 45 例の文献的考察
荒木 潤友永 淑美賀来 満夫増本 英男浅井 貞宏南 寛行窪田 芙佐雄
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1989 年 11 巻 4 号 p. 369-374

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抄録
気管支平滑筋腫の1例を経験したので, 本邦報告例44症例と共に検討を加え報告する。症例は59歳女性, 主訴は血痰で, 気管支鏡検査にて右B^6気管支入口部に腫瘤を認め, 生検にて平滑筋腫と診断した。そのため右下葉気管支本幹を楔状に切除し, 気管支形成を行って右S^6区域切除を施行した。腫瘤の大きさは6×5×5mmで気管支内腔へポリープ状に突出していた。これまでの気管・気管支の平滑筋腫の報告をみると, 平均年齢43.9歳で男女差は見られなかった。子宮筋腫との関係が問題となっているが, 既往歴を有した女性は21例中3例のみであった。臨床症状としては咳嗽が最も多く, 胸部X線写真で5例を除いてなんらかの異常影がみられた。発生部位は太い気管支に多く, 左右差はなく肉眼所見では有茎性のポリープ状を呈するものが多かった。本症の治療は機能保存治療が原則となってきており, 今後レーザー治療などの気管支鏡下治療法が増えて来るものと思われた。
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© 1989 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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