気管支学
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長期血液透析中にみられた気管軟骨性過誤腫の 1 例
金高 真人細川 芳文河村 俊明武藤 敬和泉 徹赤柴 恒人萩原 照久堀江 孝至伊良子 光正北村 一雄大畑 正昭絹川 典子根本 則道
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1990 年 12 巻 5 号 p. 519-524

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抄録
良性気管腫瘍のうち, 過誤腫は極めて稀であり, 本例も含めわずか8例の報告がなされているにすぎない。今回, 我々は気管に原発した軟骨性過誤腫の1例を経験したので文献的考察を加え報告する。症例は10年来の血液透析を受けている63歳の男性で, 喘鳴を主訴として当院を紹介された。胸部X線写真上で, 上部気管に腫瘤陰影を認め, 断層写真では腫瘤は気管左側壁から突出していることが明らかであった。気管支鏡で上部気管にポリープ状に突出する腫瘤を認めた。同部の生検では成熟硝子軟骨成分のみで構成された組織像を認めたため, 軟骨腫と診断された。しかし, 剖検による組織学的検索では病変は軟骨以外に上皮成分も認められ, 気管に原発した軟骨性過誤腫と診断された。
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© 1990 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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